俺の故郷ではウェルメイドなセメントが採掘される。

三重県の最北端から呟くサブカルとフィロソフィ、最新のブライダル事情と生まれ来る息子について。

福福荘の福ちゃん

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私の最も尊敬する女芸人である森三中の大島さんが、奇しくも我が息子と4日違いで女の子を出産された。その出産の様子を自分の顔に向けて取り付けたCCDカメラで撮影し放送したことが、ネット上で大きなトピックとなった。

大島さんはただ者ではない。この映画「福福荘の福ちゃん」を見ればどれだけ才能溢れる女優であるかがわかる。私の中では満島ひかりに匹敵する演技力だ。

藤田容介さんの過去作は不勉強ながら未見だが、器用な監督だという印象を持った。時間経過の表現がスムーズで見易い。
特に仕事中屋上でペンキローラーを左手に遠くを見つめる福ちゃんの映像。その一枚だけで前後の相反する感情を結び付ける。

福ちゃんの趣味である凧揚げがまさか重要な伏線になっていることには驚いた。
沼倉ヒサシを筆頭に、演歌歌手を目指す後輩、ヒロインの友達、アパートの住民など、脇役もしっかりとハマっている。邦画コメディでこれほどキャラが過不足なく配置されている作品も久しぶりだ(やりたいことはわかるけど結構上手くいってないことが多い)。

とにかく、大島美幸さんは最高のアーティストだ。芸人の企画物映画だと勘違いしてはいけない。
だから私はリチャードホールの「おどやん」を怪演していたころからヤバいと言い続けてきただろ!

生後2ヶ月の息子を抱きながら、久しぶりに観た映画は文句なしの歴史的作品だった。