理想的な結婚式を軽く定義する。
理想的な結婚式とはどのようなものだろう。
まず、新郎。デザインと映像編集ができた方がいい。人前に立つのに慣れてないといけない。洒落た羽目の外し方を心得ている友達グループ、その友達は最低4次会まで付き合ってくれる奴等。短気ではなく、式のお金をサッと前払いできるだけの最低限度の貯金。酒を飲んでも顔が赤くならないとなお良い。
そして、新婦。タイムテーブルの把握が得意で、笑顔を作るのが上手く、同じく人前に立つことへの抵抗がないと良い。別に手紙を泣きながら読む偽善的な友達は要らないが、数人の理解ある親友が来てくれると嬉しい。完成度の低いハンドベルも必要ない。
天気は晴れて、暑くもなく寒くもなく。列席者は全員無事教会に着席し、カメラを鞄からゴソゴソ取り出す。祝儀も漏れなく回収できた。
神父の言葉に「はい、違います」なんて致命的なミスは犯さず、笑顔で花びらを浴びる。風船が宙を舞い上がる。
できれば式場は貸し切り、厨房もバッティングが無い為に余裕あるペースで配膳される。そして、程良く温かく美味い。
ワインはカベルネ程度の風味で良い。瓶ビールはダサい。
「脇野」とか「下野」なんかの苗字の場合、「家」を付けて司会者にアナウンスされると想定外の失笑が沸く。
BGMは好きな曲を並べても良くなる訳がない。有識者に相談が必要だ。
演出は音と光で決まることを分かってない夫婦は痛い。
何より理想的な結婚式というものは、式の翌日にならないと分からないものだ。
反省をする前に、未来を想定する能力の長けた担当者が絶対条件。